結膜炎は、目の秒としては皆さんよく耳医されるものでしょう。結膜炎とは、結膜(白目)に炎症が起こっている状態をいいます。結膜には眼球結膜(眼球の白目)と、眼瞼結膜(まぶたの裏側)とがあり、そのどちらに炎症が起こっても結膜炎といいます。さて、結膜炎といえば、皆さんは人に移るもの(感染症)を想像すると思いますが、結膜炎の原因にはいろいろ種類があり、人に移る結膜炎(感染性結膜炎)と人に移らない結膜炎(非感染性結膜炎)に二分されます。人に移らない結膜炎には、アレルギー性結膜炎があり、これは春先の花粉症としてよく知られています。一方、人に移る結膜炎にはウイルス性結膜炎があり、その中に、"はやり目"や"プール熱"といった伝染性の結膜炎が含まれるのです。一般的にウイルス性結膜炎は伝染性が強く、夏場前後に流行することが多いようです。
ウイルス感染が原因の結膜炎をウイルス結膜炎といいます。ウイルス性結膜炎には、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、咽頭結膜熱の三種類があり、それぞれ、原因ウイルスが異なります。全般的に充血が強く、症状が強いことが特徴で、また事前リンパ節が腫れることも診断の助けになります。周囲の人々への伝染に対し、注意が必要です。
症状強い +++>++>+>- 弱い
アデノウイルス8型が原因です。通称"はやり目"。ウイルス性結膜炎の中でも、最も症状が重く、充血とメヤニで目を開けられないくらいです。また、非常に強い感染力が特徴で、潜伏期間(ウイルスに感染したが症状が出ていない時期)が長いために、知らずに他人に移してしまうことが多く、大流行してしまいます。いったん流行すると、終息に1~2ヶ月かかり、なかなかやっかいな結膜炎です。経過中に角膜炎を併発することが多く、角膜に点状の混濁が現れます。このため視力低下を伴うこともあります。角膜炎の治療のために結膜炎の症状が治っても、しばらく目薬を使う必要性がありますので、目薬を早く止めないように気を付けましょう。治るまでに2週間位かかります。
エンテロウイルス70型が主な原因ウイルスです。1969年アポロ11号が月面着陸した年に初めて流行したため、「アポロ病」とも呼ばれます。このウイルスは伝染力は強いですが潜伏期間が短いため、爆発的に大流行しても終息は2週間程度と早いようです。結膜の充血に混じって、薄い出血が認められるのが特徴です。結膜炎の症状は、EKCよりは軽く、角膜炎が併発することも希です。
アデノウイルス3型が主な原因ウイルスです。プールが感染の場となることがあるため、"プール熱"ともいわれますが、必ずしもプールだけではありません。小児に感染することが多く、大人では比較的まれです。結膜炎(充血・メヤニ)の症状以外に、発熱・咽頭炎(ノドの炎症)を伴います。発熱は38~40℃が数日間続きます。感染直は他のウイルス性結膜炎に比べ強くありませんが、注意を怠れば、子供同士や幼稚園などで流行します。結膜炎が治った後約1ヶ月間も糞便中にウイルスが排出されることがあるので、プールに入る時は小児科の先生と相談して決めましょう。
アデノウイルス・エンテロウイルスを直接死滅させる薬はありませんから、治療の基本は対症療法(発生している症状を和らげる治療)になります。症状の重さによって多少使う薬が変わってきますが、一般的に、炎症を抑える薬と、複合感染を抑えるための抗生剤を使用します。
充血・炎症を抑え、違和感を緩和するのに効果があります。また、EKCの角膜炎にも有効です。
ウイルスの感染により、目の表面が非常に傷んでいるため、他の雑菌の繁殖の場となり易くなっています。雑菌から目を守るために使用します。